NEC元支店長の過労死を認める 遺族側が逆転勝訴 福岡高裁

日本電気(NEC、本社・東京都港区)の岡山支店長だった男性が47歳で脳出血で亡くなったのは過重な業務が原因だったとして、妻が遺族補償を不支給とした岡山労働基準監督署の決定を取り消すよう国に求めた訴訟の控訴審判決が26日、福岡高裁であった。岡田健裁判長は、請求を棄却した1審・福岡地裁判決(2022年9月)と労基署の不支給決定をいずれも取り消した。脳出血の発症は長時間労働などが原因だと判断した。
判決によると、男性は岡山支店長だった14年4月に脳出血を発症し、2年後の16年3月に亡くなった。男性の妻は、発症は業務に起因するものだとして、18年11月に岡山労基署に遺族補償給付を申請したが、労基署は19年1月に不支給とした。
労災認定基準では、発症前6カ月間の平均時間外労働が月80時間を超えていれば労災認定される。1審判決は月約76時間だったと認定し「特に過重な業務があったといえない」と請求を棄却した。
これに対して、岡田裁判長は、男性のスケジュール表や経費精算一覧などに記載された業務実態などから発症前6カ月間の平均時間外労働が月約81時間だったと認定。「長期間にわたって疲労の蓄積をもたらす過重な業務に従事していた」として、発症と業務との因果関係を認めた。
妻は「労災と認めてもらえないことが続き、悔しい思いをしたが、夫の頑張りがようやく報われる日が来たと思います」とコメントした。NECは「詳細は把握していないため、コメントは差し控える」とした。【志村一也】