「過去最多」のクマ被害、国が自治体を緊急支援へ…調査・捕獲費などの補助を想定

クマによる死傷者が今年度、過去最多となっている事態を受け、伊藤環境相は24日の閣議後記者会見で、自治体のクマ対策に緊急支援を実施する方針を明らかにした。環境省によると、人身被害やクマの出没件数が特に多い北海道と青森、岩手、秋田の4道県を対象とする。
人里近くに生息するクマの調査や捕獲などにかかる費用を補助することを想定している。同省の担当者は「各道県から要望を聞き取り、対応したい」と述べた。
各道県によると、クマによる人身被害は23日時点で秋田県53人、岩手県39人(うち死者2人)、青森県11人、北海道4人(同1人)。
会見で伊藤環境相は「重要なのは人とクマとの距離を確保すること」と述べ、〈1〉クマの生息域へむやみに入らない〈2〉クマと遭遇した際は落ち着いて距離を取る〈3〉クマを人里に引きつけないようにする――の3点を呼びかけた。