兵庫県は26日、同僚の男性医師(47)が使用する電子カルテのIDとパスワードを無断で使って処方箋を偽造し、違法に薬剤を入手したとして県立西宮病院の女性看護師(45)を懲戒免職処分とした。公文書偽造・同行使罪で県警に刑事告発する方針。第三者への薬剤の譲渡は確認されていないという。
県によると、看護師は平成30年1月~今年1月、自身の皮膚疾患に使う軟膏(なんこう)や飲み薬の処方箋を計22回にわたって不正に発行。IDなどは緊急時のため男性医師から共有されていたという。2月に電子カルテを使っているところを同僚に目撃されて発覚した。
当初は通常の診察を受けて処方箋を受け取っていたが、男性医師が多忙な時期があり、看護師は「男性医師が忙しいのを見て言い出しにくかった。勝手に安易な判断でやってしまった」などと話しているという。
また、県はカルテの記録から無断使用を把握していたのに黙認したとして男性医師も減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とした。県病院局は「IDなどの管理や電子カルテの適正使用を徹底する」と謝罪した。