京王線刺傷事件から2年「ハロウィン仮装の乗車控えて」 渋谷区から「状況に応じ動線変更」要請も

東京都内の京王線の車内で令和3年10月、ハロウィンで仮装していた男による傷害事件が発生したことを踏まえ、京王電鉄は今年も昨年に続き危機管理レベルを引き上げ、防犯対策の強化に乗り出している。また、昨年と同様にハロウィン期間中の仮装での乗車を控えるよう、ポスターなどで注意喚起。主要駅周辺では昨年に比べて大勢の人出が予想されることから、状況に応じて駅構内の動線変更を渋谷区から要請されていることを明らかにした。
京王線では2年前の「10月31日、ハロウィンで仮装した男が、走行中の京王線特急電車内で乗客をナイフで刺し、車両に火をつける事件が発生。乗客が避難する騒ぎとなった。男は殺人未遂などの罪で起訴され、懲役23年の実刑判決が今年8月に確定した。
事件を教訓に、京王電鉄は昨年、ハロウィン期間中を「テロ・暴漢対策強化」と位置づけ、車内の非常用設備などをPRするグッズを京王線の主要駅で配布した。今年も10月23日から11月10日までの間を「京王防犯・防災対策強化ウィーク」とし、警備員を増員するなどして車内での警戒活動にあたる。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが今年5月に5類に移行してから初めて迎えるハロウィンとあって、主要駅の周辺では多くの人出が予想される。渋谷駅のある京王電鉄に対し、渋谷区からは「状況によっては、客の動線の変更をしてほしい」と要請があったという。
京王電鉄は「ほかのお客さまが不安や恐怖を感じる恐れのある仮装でのご乗車は控えてほしい」として、仮装での乗車を自粛するように呼び掛けている。