埼玉県蕨市の郵便局で起きた立てこもり事件で、人質強要処罰法違反容疑で緊急逮捕された同県戸田市新曽、無職鈴木常雄容疑者(86)が、電話で投降を説得する捜査員に対して「ガソリンあるからな」と威嚇し、放火をほのめかしていたことが県警幹部への取材でわかった。人質の女性局員が逃げたことに気づいた後の発言で、突入を警戒していたとみられる。
鈴木容疑者は10月31日午後2時過ぎ、自動式拳銃を持って侵入し、女性局員2人を人質にして立てこもるなどした疑いがある。予備の弾丸や刃物2本、液体が入った18リットルと10リットルのポリタンク、500ミリ・リットルのペットボトル2本、複数のライターを持ち込んでいた。
女性局員2人のうち1人は午後7時過ぎに鈴木容疑者が解放し、もう1人は午後9時過ぎに自力で逃げ出した。鈴木容疑者はそれに気づき、捜査員に「ガソリンあるからな」などと話したという。県警は午後10時過ぎに突入したが、防護服姿の捜査員は「火災抑制剤」を携行した。噴射した泡状の薬剤が瞬時に液体表面を覆い、炎が広がるのを防ぐという。県警は押収した液体の鑑定を進める。
県警は2日、鈴木容疑者をさいたま地検に送検した。鈴木容疑者はこれまでの調べに、立てこもりの1時間ほど前に戸田中央総合病院(戸田市)で起きた発砲事件も「自分が撃った」とし、その直前に自宅アパートに放火したことも認めている。