1型糖尿病の治療の影響で、低血糖症状を感じていたのに車を運転して人身事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)罪に問われた30代の女性被告の判決が7日、神戸地裁であり、松田道別裁判官は無罪を言い渡した。検察側は禁錮1年2月を求刑していた。
判決によると、女性は2021年10月、神戸市北区で車を運転中に意識がもうろうとなり、車線をはみ出して反対車線を走行していた乗用車と衝突。乗用車に乗っていた20~40代の3人にけがをさせた。
松田裁判官は「走行中に低血糖の症状を感じたと認めるに足りる証拠がない」と指摘。その上で、過失があったとする証明がないとして無罪を言い渡した。
検察側は、女性は事故を起こす前に蛇行運転をしており、事故前に症状を感じていたと主張していた。
[時事通信社]