【リマ=大塚美智子】ペルーを公式訪問中の秋篠宮家の次女佳子さまは6日午前(日本時間7日未明)、リマ市の「ルートビッヒ・バン・ベートーベン初等特別支援学校」を訪問された。
同校には、聴覚に障害を持つ幼稚園生と小学生の約70人が通っている。
生徒たちはダンスを披露して佳子さまを歓迎。佳子さまは、ペルーのスペイン語手話で「皆さんにお会いできてとてもうれしいです。ここに来られて本当に幸せです」と笑顔であいさつされた。各学年の教室を巡り、算数の授業が行われていた小学4年生の教室では、生徒に手話で「算数は好きですか」と優しく尋ねられていた。
手話は20歳から、訪問前に動画で練習
手話は世界共通ではなく、国や地域によって異なる。佳子さまがルートビッヒ・バン・ベートーベン初等特別支援学校で披露されたのは、ペルーの手話だ。同校によると、1か月半ほど前から、同校の職員が用意したペルー流の動画を見て練習を重ねられたという。
全日本ろうあ連盟(東京)に非常勤の嘱託職員として勤務する佳子さまが、手話を始められたのは8年前の20歳の時だ。
秋篠宮ご一家と交流のある日本ろう者劇団の顧問の井崎哲也さん(71)は「佳子さまの手話は見るたびに上達されている」と話す。手話は話し手の内面が表れるといい、「常にゆっくりと手を動かされていて、相手の気持ちを考えられているのが伝わってくる」と指摘する。
表現に工夫、「ろう者に心を寄せられている証し」
佳子さまは国内でも、手話の表現に工夫をこらされている。井崎さんによると、日本語と手話は文法が違い、例えば「いつあなたは生まれたの」と表現する場合、手話では「あなた 生まれたの いつ」という順になる。手話を母語とする人にとって、手話の文法の方が自然だという。
佳子さまは、声と手話を同時に使ってお言葉を述べられることが多かったが、今年8月の高校生の手話によるスピーチコンテストでは、言葉を発せず、手話の文法に従って手話のみであいさつ。手話を母語とする人たちから歓迎された。
井崎さんは、佳子さまが今回、ペルーの手話で交流されたことについて「ろう者に心を寄せられている証し。ろう者に対する社会の理解が深まるきっかけになってくれればうれしい」と期待した。