原電、施工不良「隠していない」 茨城・東海村議会で釈明

茨城県の東海村議会全員協議会は8日、日本原子力発電東海第2原発の安全対策工事で発覚した施工不良について、原電から説明を受けた。原電は、防潮堤の北側の基礎で鉄筋が浅くなっている不備もあったと説明。原電は施工不良を認識後も現地を視察した村議や首長に説明せず10月になって一部公表したが、「推定原因の調査を進めてきた。(公表時期の)判断は正しかった」と主張した。
原電は4月に北側の基礎で鉄筋が設計書より70センチ浅くなっていると認識。一時工事を中断したが、「十分に岩盤に達している」と判断し工事を再開した。更に6月には基礎の一部でコンクリートの充(じゅうてん)不足や鉄筋のゆがみを把握した。10月に充不足と鉄筋のゆがみを公表するまでに村議会原子力問題調査特別委員会が5月、周辺6市村の首長が7月に現地を視察した。その際に説明しなかったことを、原電は調査に時間を要したためで「隠していない」と釈明。再度の視察を求めた村議に「工事と調査が並行し錯綜(さくそう)しているので難しい」と述べた。
越智辰哉議長は原電に「信頼関係に関わるので、何かあれば速やかに議会に報告をしてほしい」と求めた。
この日は特別委も開かれ、不採択とした再稼働に反対する請願について再審議しないと決め、本会議に提出する報告書を取りまとめた。原電への聴取続行を求める意見も出たが、少数で退けられた。【木許はるみ】