水難救助訓練中に消防士死亡 夜勤明けで参加 過去にも吐き気で中止

水難救助訓練中に新潟県柏崎市消防署の男性消防士が溺れて死亡した事故で、同市消防署は8日、死亡した入沢武弘さん(当時26歳)は夜勤明けの時間外勤務で訓練に参加し、過去にも訓練中に吐き気を覚えて、訓練を中止していたことなどを市議会に報告した。
入沢さんは10月13日、同市の番神海水浴場で実施したダイバーを養成する潜水訓練に消防職員計4人で参加。午前10時ごろ、沖合に向かって水深1メートルを潜行し、波消しブロックに到着すると、入沢さんの「助けて」という声が聞こえた。水深4メートルに沈んでいる入沢さんを見つけ、救急車で長岡市の病院に搬送したが14日夜に死亡した。
同市消防署の山崎定義署長によると、入沢さんは12日午前8時半から休憩を挟み、13日午前8時半まで勤務し、時間外勤務として水難救助訓練に参加していた。また7、9月の訓練では、訓練後に鼻血が出たり、訓練中に吐き気を催して中止したりしていたという。
山崎署長は一般論として、訓練は他の消防でも非番の日に実施しているケースもあり、事故当日は入沢さんの健康状態に問題はなかったとしている。来週にも法律などの専門家ら第三者による検討委員会を開き、事故原因の調査と再発防止に努めるとしている。
一方今回の事故では、県警が安全管理に問題がなかったか、業務上過失致死の疑いで捜査している。【内藤陽】