細田博之前衆院議長が急死 地元島根で目撃された「異変」…後継者争いは混沌

先月20日に衆議院議長を体調不良で辞任した、自民党の細田博之衆議院議員が10日午前、都内の病院で亡くなった。79歳だった。
細田氏は当選11回を数え、これまで官房長官や幹事長を歴任。2021年に衆議院議長に就任したが、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)や女性へのセクハラ問題などで追及されていた。今年7月に脳梗塞の症状が出て、別の病気も含めた治療を受けていることを明かし、衆院議長を辞任。その後も入退院を繰り返し、9日に容体が急変したという。
地元・島根の古参支持者が、7月に体調を悪くする直前の細田氏の様子をこう振り返る。
「もう高齢なので、島根に戻るのは多くて年1回でした。7月の地元での国政報告会では、歩く速度が異様に遅くなっていて、足元がふらついていたのを覚えています。何のあいさつもなく、いきなり地元に関係のない安全保障の話をし始めたので驚きました」
一方で、感心することも。「ほとんど島根に帰らないのに、地元支持者の名前はしっかり覚えていました。我々支持者の間では、腰が低くいい人という評判でしたね。細田さんは衆院議長の公邸には住まず、都内でマンション暮らしだったとか。奥さんもすでに他界しています」(同)
細田氏の死去に伴い、衆議院島根1区では来年4月、補欠選挙が行われる見通しだが…。
「大御所が細田さんだけになり、本人が次期衆院選にやる気満々だったので、後継者が不在で大変です」(同)
細田氏は、追及を受けていた旧統一教会との関係について、関連団体の会合に出ていたことなどを認めたが、野党側からは説明が不十分だと批判を浴びていた。また、女性記者らへのセクハラ疑惑を昨年報じられた週刊文春との民事訴訟は、来月8日に弁論準備があり、来年から本格化する。前出の古参支持者は「当人が亡くなっても、裁判は続くんでしょうか」と気を揉んでいる。