宝塚歌劇団宙組の25歳女性がマンションから転落死した問題で歌劇団は14日、宝塚市内で会見を開き、先月上旬から外部弁護士による調査結果を発表した。
木場健之理事長は「故人の舞台にかける思いをサポートできなかったこと。大切な仲間を守れなかったこと、組織の長として深く反省しております。本当に申し訳ございませんでした」などと話し、12月1日をもって辞任することを発表した。
また、親会社・阪急阪神ホールディングスの代表取締役会長でもある角和夫氏の報酬を25%減額3カ月、などもあわせて発表された。
さらに、過密スケジュールの緩和策として今後の劇団スケジュールの変更を発表。年間9興行だったものを8興行に減らし、現行1週間あたり10回公演していたものを9回に減らすなどとした。
25歳女性については今年2月、週刊誌報道で上級生から「前髪の作り方を教えてあげる」とヘアアイロンを故意にあてられてやけどした、とする「いじめ報道」があったが、劇団はこれを否定。同女性は入団7年目までで行われる新人公演の責任者でもあり、激務が重なり9月30日午前7時ごろ、宝塚市内のマンションから転落。自殺したものとみられている。
これを受けて劇団は10月7日、初めて会見を開き、改めて「いじめ」を否定。転落死についての原因究明のため劇団や親会社である阪急阪神ホールディングスとは一切接点のない大手弁護士事務所に依頼して「調査チーム」を立ち上げたことを明かしていた。
一方で25歳女性側の代理人弁護士は今月10日に会見を行い、1日に3時間程度しか睡眠時間が取れなかった過重労働と上級生からのパワハラが要因と指摘し劇団側に適切な被害補償を求めている。被害者側の代理人は14日中にも再び会見を行う予定。