熊本市中央区の雑居ビルで5月、派遣社員の女性(当時29歳)の遺体が見つかった事件で、熊本地検は15日、殺人と死体遺棄容疑で書類送検されていた松原聡容疑者(当時31歳)を容疑者死亡で不起訴処分とした。
松原容疑者は当時、現場ビルのエレベーターを保守点検する会社の社員で、事件後に死亡しているのが見つかった。自殺とみられ、動機が解明されないまま一連の捜査は終結した。
県警などによると、松原容疑者は5月28日午前1~10時ごろの間に、帰宅途中だった女性をビル内に連れ込み、首を絞めて窒息死させたうえ、全身を布でくるんでビルの空きテナントのベランダに遺棄したとして、8月30日に書類送検された。
地検は現場付近の防犯カメラの映像やDNA型などから容疑者を特定し、「必要な捜査を尽くした」としている。【野呂賢治】