「日本からも声あげて」 避難のジャーナリスト、ガザの現状を講演

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘を巡り、人道危機が深刻化しているパレスチナ自治区ガザ地区の問題を学ぶイベントが18日、松山市であった。11月13日までガザから報じ続けたインドネシア人ジャーナリストのムハンマド・フセインさん(35)が避難先の祖国からオンラインで講演。「想像してほしい。広島、長崎の原爆で多くの日本人が亡くなったが、ガザでも同じことが起こっている。日本からも戦闘を止めるように声を上げ続けてほしい」と訴えた。
「多くの子供や女性が亡くなっている」
フセインさんはガザ地区のイスラム大学に留学後、パレスチナ人女性と結婚。今月に避難するまで13年間ガザ地区で暮らしてきた。10月7日のハマスの越境攻撃について「土地を奪われ、ヨルダン川西岸とガザに追いやられたパレスチナ人の歴史がある」と語り、75年前のイスラエル建国から続く問題の根深さを強調した。
イスラエルはガザ地区北部から南部への避難を呼びかけたが、フセインさんは「その避難中の母子が狙撃されて子が死に、助けようとした母はイスラエル兵士に引き離された。その後の空爆で母も命を落とした」という話を紹介。南部でも生活したフセインさんは「南部も空爆がある。我が子の安全を確保するため帰国せざるを得なかった。今のガザに安全な場所はない」と語気を強めた。
1万人以上とされるガザ地区の死者数について「ハマスのみを攻撃するのであれば、これほどの死者は出ない。多くの子供や女性が亡くなっている。ジェノサイド(大量虐殺)だ」と指摘。「イスラム、ユダヤの宗教対立の問題ではない。人間の尊厳を守ることが最優先だ」と訴えた。
一方、世界中で反戦運動が高まっていることに触れ、「日本からも声を上げ続けることが後押しになる」と呼びかけた。「食料や薬など物資が足りない。雨期に入り、防寒具も必要」とも指摘。イスラエルを支援する欧米系企業へのボイコット(不買運動)の重要性も説いた。
イベントは松山市在住の愛媛大留学生や会社員らのインドネシア人コミュニティーなどでつくる有志団体「ガザを伝える松山」が主催。オンラインを含めて約30人が参加した。県立松山北高校1年の山田惺南(せいな)さん(15)は「逃げ場がなく、明日死ぬかも知れない状況を知った。無力感もあるが、所属する英語部の部員にパレスチナ問題を話し、今何ができるかを話し合いたい」と語った。
団体では今後の活動の参加者を募集する。問い合わせはメンバーのムルシダさんへ電子メール([email protected])で。【鶴見泰寿】