児童虐待、相談後に4割が状況悪化 改善つながらず 支援団体アンケ

児童虐待を受けながらも、児童養護施設や里親家庭などで社会的養護を受けることができなかった被害者の実態はどうなっているのか--。
民間の支援団体が当事者を対象にしたアンケート結果の概要が19日、公表された。虐待を受けていた当時、他者への相談後の状況の変化を複数回答で尋ねたところ、「悪化した」が39%、「何も変わらない」が63・3%に上った。「改善した」は6・9%、「一時保護された」は6・4%にとどまった。外部への相談が虐待の改善につながりにくい状況が浮かんだ。
アンケートは一般社団法人「Onara」(東京)が2023年9月9~30日、インターネット上で18歳以上の虐待被害経験者683人(男性62人、女性589人、その他32人)に実施。虐待を受けていた当時、自ら助けを求めたことが「ある」と答えた218人に対し、相談後の状況変化を尋ねた。
相談した相手(複数回答)は学校の先生(54・1%)が最多で、親族(40・4%)▽友人(28・9%)▽近所の大人(22%)――と続いた。公的機関は警察(21・6%)▽児童相談所(17・9%)▽役所(7・8%)――だった。
同法人などが19日に東京都内で開いたイベントで、虐待被害者らを支援する「アフターケア相談所ゆずりは」所長の高橋亜美さんは「学校の先生に相談したら親に確認され、もっとひどい虐待を受けることがあります」と指摘した。
同法人代表理事の丘咲つぐみさんは「虐待を受けている子どもは心が傷ついているので、助けを求めたのに否定されると『もう誰も助けてくれない』という気持ちに陥りがちです。周囲の大人がどう反応するかがとても大切です」と話した。
アンケートの質問は全部で55項目あり、同法人は近く全データと分析を公開する。【田中裕之】