タリウム殺害被告を再逮捕 コロナ助成金1.1億円詐取の疑い

毒性の強いタリウムを知人の女子大学生(当時21歳)や叔母(61)に摂取させたとして殺人や殺人未遂の罪で起訴された宮本一希被告(38)について、大阪府警は22日、新型コロナウイルス対策の国の「緊急雇用安定助成金」1億円超をだまし取ったとする詐欺などの疑いで再逮捕した。
詐欺の再逮捕容疑は2020年7月~22年2月、親族が代表取締役を務めるイベント企画会社がアルバイトら計54人に休業手当を支払ったとする虚偽の書類を作成。新型コロナで売り上げが減った事業者に休業手当を補助する国の助成金計約1億1100万円をだまし取ったとしている。宮本容疑者は黙秘しているという。
捜査1課によると、宮本容疑者はこの会社の取締役を務めていたが、会社の資金を使い込んだとして、親族の財産を管理する叔母から20年2月に解任されていた。虚偽申請に使われたとされるアルバイトらは、過去に働いていた人や架空の人物だったという。
叔母は20年7月に突然倒れ、重い脳炎と診断されて意識不明となった。府警が宮本容疑者のスマートフォンを解析したところ、この約3カ月前に宮本容疑者による別の助成金の詐取を叔母が知り、宮本容疑者を叱責するメッセージが残されていたことが判明した。
また宮本容疑者は、叔母が倒れた後の20年10月、叔母が経営する不動産会社の代表取締役に就任したが、これについても宮本容疑者が無断で虚偽の登記をした疑いがあり、府警は電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの疑いで宮本容疑者を再逮捕した。宮本容疑者は複数の不動産を叔母名義から同社名義に変更しており、捜査1課は宮本容疑者が会社を乗っ取る目的で叔母にタリウムを摂取させたとみている。
宮本容疑者は、22年10月に立命館大3年の女子大学生をタリウムで殺害した殺人罪▽20年7月に叔母をタリウムで殺害しようとした殺人未遂罪――で起訴されている。【洪香、林みづき】