消費税が10%に引き上げられた1日、阪急電鉄と阪神電鉄は、100年以上の歴史がある「梅田駅」(大阪市北区)を「大阪梅田駅」に改称した。増加する訪日外国人に「大阪の玄関口」を分かりやすくアピールする狙いがある。増税に伴う運賃改定で運賃表を変更したり、発券機のシステムを改修したりする必要があることから、駅名も同時に変えることで作業の効率化とコスト抑制を図った。
阪急梅田駅では、営業運転が終わった後の1日未明、作業員らがホームで駅名の看板を手際よく「おおさかうめだ 大阪梅田」に掛け替えた。広報担当者は「100年以上親しまれた駅名同様に、『大阪梅田』も今後末永く愛されてほしい」と語った。阪急はこの日、京都市下京区の「河原町駅」を「京都河原町駅」に、大阪大に近い大阪府池田市の「石橋駅」を「石橋阪大前駅」に改称した。
駅名を変えると当該駅だけでなく、すべての駅で運賃表や路線図などの表示を変える作業が必要になる。そこで、同じように全駅で運賃表などを変更しなくてはならない運賃の改定時に作業を合わせることで、コストを節減することにした。
利用客も増税に伴って生活費の節約を意識している様子。阪急の大阪梅田駅で運賃表を見つめていた兵庫県加古川市の主婦(37)は「運賃だけでなくトイレットペーパーやティッシュも値段が上がるけど、収入は増えない。節約に関するサイトでも読もうかな」と苦笑いした。
1日の運賃改定に合わせて、阪神は梅田駅のほか、武庫川女子大に近い「鳴尾駅」を「鳴尾・武庫川女子大前駅」に改称。京阪電鉄は「深草駅」を「龍谷大前深草駅」に、石清水八幡宮に近い「八幡市駅」を「石清水八幡宮駅」に改めた。【鶴見泰寿、隈元悠太、高橋昌紀】
当初は「梅田のすてんしょ」と呼ばれて
大阪市北区の梅田地区には阪急、阪神の大阪梅田駅のほか、JR大阪駅、大阪メトロの御堂筋線梅田駅、谷町線東梅田駅、四つ橋線西梅田駅が集まっている。最初に開業したのは、大阪駅で1874(明治7)年。当初は地名にあやかって「梅田のすてんしょ(ステーション)」と呼ばれていたという。
その後、阪神は1906(明治39)年に、阪急は10(同43)年にそれぞれ梅田駅を開業。既に存在していた大阪駅という名称がなぜ使われなかったのかはっきりしないが、阪急の広報担当者は「全国展開の国鉄に対して、(地元の私鉄は)慣れ親しんだ地名を駅名に選ぶことで、地域の人びとに愛される駅にしようとしたのではないか」と話している。【鶴見泰寿】