伝統&ニュー・ウェーブ! 浅草グルメの「今」を食べ歩いてみた

東京都内の観光スポット・浅草。季節を問わず、いつでも国内外の人々で賑わっている。そんな浅草観光の楽しみといえば、やっぱり「食べ歩き」。最近では、昔ながらの定番下町グルメだけじゃなく、ひと味違った食べ物・飲み物も評判なんだとか。いったいどんな美味しさが待っているのか? 浅草グルメの「今」を食べ歩いてみた。

午前11時半、つくばエクスプレス浅草駅に到着。A1出口から国際通りの東側、六区花道に入ると、右手に若手時代のビートたけしが修行した演芸場として有名な「東洋館」(浅草フランス座演芸場東洋館)がある。その向かいには、ドン・キホーテが。左折して先に進むと、老舗劇場「浅草ロック座」があり、道路を挟んでリッチモンドホテルプレミア浅草インターナショナルがある。こんなところからしてすでに、昔と今が混然一体となった浅草の町並みを感じることができる。

それにしても、あいにくの曇り空にも関わらず、やっぱり人出が多い。人波をぬってあちこち歩きまわるにはエネルギーが必要だ。ということで、まずはすぐ近くにある「おにくのおすし 浅草店」の、ガッツリ食事にもなるグルメから食べ歩きスタート!
祇園おにくのおすし 浅草店の「おにくのおにぎり 金の福小判」
「おにくのおすし 浅草店」は、”松阪牛の旨みをお寿司で味わい尽くす”のが売りの肉寿司専門店。京都を中心に松阪牛一頭をまるごと楽しめる焼肉店などを展開するWHAT’S グループが東京都内に出店した1号店として、今年オープンした話題の新グルメスポットだ。浅草六区地区に店を構えるだけあって、オープン日が6月9日っていうところがイイね。このお店、コース料理等が堪能できる店内とは別に、入口で食べ歩き用のメニューを販売している。それが、「おにくのおにぎり 福小判」(税別500円)。ミンチ状にした牛肉と豚肉をもち米で包んで蒸し、特製醤油を塗ってバーナーで炙ったおにぎり風の食べ物だ。今回は、金箔をまぶしたグレードアップ版「おにくのおにぎり 金の福小判」(税別1,500円)を食べてみた。金箔が想像以上にたっぷりとかかったビジュアルが映えるのはもちろんだが、特筆したいのはその味。つやつやモッチリとしたもち米の中に、肉がドンッと目一杯詰め込まれている。食べるごとに肉の旨味が沁み出してきて、「もちもち、ジューシー」っていう言葉のそのまんまのおいしさ。縁起の良い金箔付きのおにぎりを食べて、すぐ隣にある場外馬券場「ウインズ浅草 JRA」で勝負に挑むのも良し、見事馬券を的中させてから贅沢をするもよし。食べ歩きグルメの新名物だ。

information「祇園おにくのおすし 浅草店」
東京都台東区浅草2-6-14
営業時間:ランチ 11時29分~15時(L.O)、ディナー18~21時(L.O)
休:火曜日
浅草 花月堂本店の「ジャンボめろんぱん」&「アイスめろんぱん チョコミント」
「おにくのおすし 浅草店」から徒歩1分ほど、やってきたのは、「浅草 花月堂本店」。1日3,000個販売されるという「ジャンボめろんぱん」で、多くのメディアに取り上げられているお店。すでに多くのお客さんが行列を作っていた。中には艶やかな浴衣姿の女の子や、外国人観光客の姿も。そういえば、外国にメロンパンってあるのだろうか? そんな単純な疑問が浮かんでくるぐらい、じつはメロンパンをほとんど食べたことがない。店頭を見ると、昔ながらのメロンパンのイメージを覆す、まさにニュー・ウェーブ的なメニューがズラリ。その中から定番の「ジャンボめろんぱん」(税込220円)と「アイスめろんぱん チョコミント」(税込600円)を注文してみた。「ジャンボめろんぱん」は焼き立てであたたかく、手に持ったら指がザクっと入ってしまいそう。この繊細さ、女性をエスコートするかのごとく丁寧に扱わないとダメだぜ……。と思いつつかぶりつくと、カリカリ、サックサクな外側とふんわりした中身が優しいおいしさ。「アイスめろんぱん チョコミント」の方はといえば、チョコミントアイスの爽やかな甘さと冷たさがめろんぱんとよく合っていて、食べていて楽しい感じ。周りを見ると、日本人も外国人も老いも若きもみんな頭の上に撮影用めろんぱんを乗せて写真を撮っていた。平和だなあ~、いいなあ浅草。

information「浅草 花月堂本店」
東京都台東区浅草2-7-13
営業時間:9~17時(ジャンボめろんぱん完売に次第閉店)
休:無
UMIERE asakusaの「タピオカミルクティー」
再びリッチモンドホテル方面に戻り、浅草の新スポット的な商業施設「まるごとにっぽん」1Fにある「UMIERE asakusa」(ウミエール アサクサ)」へ。2018年12月に施設内にオープンした同店は、北海道産オーガニック牛乳を100%使用したミルクソフトクリームをメインとした店。となると、やはりソフトクリームを食べた方がいいかな……と思ったけど、よく見たらタピオカミルクティーがあるじゃん。じつはちゃんと飲んだことがない、タピオカ。あまりにもブームすぎておじさんには手が出しづらいものの、やっぱり飲んでみたい、タピオカ。そんな思いから最近コンビニでタピオカミルクティーを買って飲んでみたものの、あんまり好きじゃなかった。ところがこの店で「タピオカミルクティー」(税込600円)を飲んでみたら、ナニコレ、おいしい! タピオカのモチモチ感と絶妙に真ん中に芯がちょっとあるアルデンテ加減が、コンビニのやつとは全然違うじゃないか。しかも甘すぎない爽やかなミルクティーで、しばし女子高生気分になった筆者であった。見た目からしてコスメっぽいボトルに入っていて、かなりイメージが違っておしゃれ感あり。また飲もう、タピオカミルクティー。

information「UMIERE asakusa」
東京都台東区浅草2-6-7 まるごとにっぽん1F
営業時間:10~20時
休:不定休
おいもやさん興伸 浅草伝法院通り店の「大学芋 あずま」
続いてやってきたのは、雷門通り方面へ150mほど歩いた「おいもやさん興伸 浅草伝法院通り店」。創業明治9年の甘藷(サツマイモ)問屋『川小商店』が経営するサツマイモ菓子専門店だ。店頭のショーケースの中には、鮮やかな黄金色をした大学芋「あずま」と「さつま」が並んでいた。色、味の良い品種「ベニアズマ」を厳選したという「あずま」(200g税込560円)をチョイスしてみた。ゴロっとした芋が5つ、蜜がトロ~リたっぷりかかっていて、黒ゴマが散りばめられている。見た目通り、甘いっ! めちゃくちゃ甘い! 思わずあま~い! と声に出してしまったぐらい、甘い。カリッとした外側ともっさりとした芋のふくよかさ、自然な甘みが口の中に広がってくる。最初は、甘すぎてちょっと無理かも……と思って1つだけで済ませていたのだが、時間が経つにつれて頭に浮かぶ芋・イモ・いも。なんだかまた食べたくなってきた。良質な素材を丁寧な手作業で調理しているからこそのおいしさ。リピーターやお土産で買っていく人が多いのも頷ける味であった。

information「おいもやさん興伸 浅草伝法院通り店」
東京都台東区浅草1-39-9
営業時間:10~19時
休:年中無休

甘味処 西山の「おでん」と「豆かん」
雷門へとやってくると、俄然人出も多くなってきた。さすがにちょっと食べ歩き疲れたので、雷門の道路向いにある「甘味処 西山」でひと休み。甘いものを食べ続けていたこともあり、塩味がほしくなっちゃった。メニューを見ると、おっ! 「おでん」(税別602円)があるじゃん。早速オーダー。小ぶりなネタがカワイイ! 大根をひと口。あぁ~出汁が染みていて、しみじみと旨い。なんとも心が癒されるほっこりとした味だ。下町情緒を感じさせる店内で食べるとおいしさが倍増する気がする。そして、しょっぱい味を食べたらまたしても甘味が欲しくなるという、無限ループに突入。店に入る前から決めていた、大好物の「豆かん」(税別565円)を追加オーダー。昔ながらの甘味といえばやっぱりこれですよ、これ。寒天に豆がどっさりの、シンプルな見た目。歯ごたえが良くちょっと塩気のある豆にまったり濃厚な黒蜜をかけていただくと、多幸感あり。ごちそうさまでした。

information「甘味処 西山」
東京都台東区雷門2-19-10
営業時間:10~19時(L.O.18時30分)、テイクアウトは~19時
休:水曜日
常盤堂雷おこし本舗 雷門本店の「塩おこし のりしお」
すっかり満足して店を出ると、道路を渡った向いにある「常盤堂雷おこし本舗 雷門本店」へ。せっかく浅草に来たんだし、おみやげを見てみることに。歴史と伝統の浅草土産「雷おこし」もいいけど、新商品の「塩おこし のりしお」(税込432円)を試食してみたらおいしかった。通常の雷おこしに「海人の藻塩」(あまびとのもしお)という、ミネラル分を含んだ藻塩を入れて作った商品なんだとか。雷おこしもアップデートされているんだなあ。

information「常盤堂雷おこし本舗 雷門本店」
東京都台東区浅草1-3-2
営業時間:9~20時30分
休:無

ふぅ~、浅草食べ歩き、おいしかったし楽しかった! 今回食べ歩いた浅草の飲食店には、長年営業している店もあれば、最近できたばかりの新しい店もあった。そんな店が共存しているところに、歴史と伝統を守りながらも、若い人や海外からのお客さんも楽しませようと新たな挑戦を続ける、今の浅草の姿を感じることができた。まだまだ、浅草界隈にはおいしいお店がたくさんあるので、仕事の合間や休みの日にフラッと足を運んで、自分だけの「浅草食べ歩きマップ」を作ってみては?

著者:岡本貴之 1971年新潟県生まれのフリーライター。音楽取材の他、グルメ 取材、様々なカルチャーの体験レポート等、多岐にわたり取材・ 執筆している。好きなRCサクセションのアルバムは『BLUE』。趣味はプロレス・格闘技観戦。著書は『I LIKE YOU 忌野清志郎』(岡本貴之編・河出書房新社)」