能登地震、犠牲者の9割が家屋倒壊…専門家「阪神大震災と同様に多くは窒息死か」

能登半島地震で石川県が20日までに死亡の状況を公表した犠牲者100人のうち、約9割にあたる91人が家屋倒壊によって亡くなっていたことがわかった。
県は15日から遺族の同意が得られた犠牲者の氏名や死亡の状況などを公表しており、20日に新たに10人が公表され、計103人となった。年齢は3~97歳で、70歳以上が61人と約6割を占めた。性別は男性52人、女性51人。
死亡の状況は、3人は遺族の意向で公表されておらず、100人の内訳は家屋倒壊91人、土砂災害8人、津波1人。自治体別では、輪島市は37人全員が家屋倒壊で、珠洲市は41人のうち家屋倒壊が40人、津波が1人だった。県は圧死や溺死といった具体的な死因は、遺族が望んだ場合に限って明らかにするとしており、一人も公表されていない。
阪神大震災の際に犠牲者の死因調査にあたった西村明儒・徳島大教授は「阪神大震災で神戸市内で亡くなった人の死因は、建物倒壊に伴う窒息が53・9%を占め、圧死が12・5%だった。能登半島地震でも、倒壊した建物の下敷きになった犠牲者が多く、阪神大震災と同様、窒息などで亡くなった人が多いとみられる」と話した。