上野厚労政務官が辞任=在留資格で口利き疑惑

政府は28日の持ち回り閣議で、自民党の上野宏史厚生労働政務官(48)=衆院比例代表南関東ブロック=の辞任を決めた。
上野氏には外国人労働者の在留資格取得をめぐり口利きした疑惑が浮上。責任を問う声が強まり、関係者に辞意を伝えた。
野党は国会で追及する構え。7月の参院選に勝利し、安倍晋三首相が長期政権の総仕上げに入ろうとするタイミングだけに、自民党には「政権運営にマイナス」(幹部)と影響を懸念する声が出ている。
上野氏は辞任後に文書を発表。「法令に反する口利きをした事実はない」と反論しつつ、「誤解を招きかねないとの指摘があり、体調を崩し役所に出ることもままならない」と辞任の理由を説明した。
根本匠厚労相も談話を出し、「国民に不信を持たれることのないよう常に襟を正し、説明責任を果たすべきだ」と強調した。内閣改造・党役員人事を9月半ばに控えるため、後任は当面置かない。
週刊文春は先週、東京都内の人材派遣会社が在留資格を申請した外国人に関し、上野氏側から法務省に問い合わせる見返りに金銭を求めたなどと報道。野党から批判が上がり、自民党内にも「説明できないなら辞めさせるしかない」(中堅)と突き放す意見が出ていた。
上野氏は経済産業省出身で衆院当選2回。2010年参院選で旧みんなの党から初当選。12年衆院選で日本維新の会からくら替え当選を果たし、その後、自民党に移った。昨年10月の第4次安倍改造内閣発足時に厚労政務官に就いた。
最近の政務三役では、4月に不適切発言で桜田義孝五輪担当相と塚田一郎国土交通副大臣(いずれも当時)が辞任している。