高齢ドライバーによる交通事故の多発を受けて、東京都は緊急対策として「東京都高齢者安全運転支援装置設置促進事業補助金」制度を開始した。
都内在住の70歳以上の運転免許保有者が対象で、取扱事業者(自動車メーカー・カー用品店)の特定店舗で、ペダル踏み間違いによる急加速を抑制する装置を1割負担で購入・設置できる(1台につき10万円まで)。
7月31日から開始された同制度について、選挙調査を行う株式会社グリーン・シップが、認知度の自主調査を行った(調査日8月6日。都内在住で70歳以上の自動車保有者。およびその世帯を対象。男女計758人)。
同社の田中明子社長は「非常に良い制度で、どんどん利用していただきたいが、本当に浸透しているのか調査してみた」と話す。制度に対する認知度は全体の62・9%が「知っている」と答えた。制度の対象となる70代以上も6割以上が認知していた。逆に40代以下では6割以上が認知していなかった。「運転中に(ブレーキとアクセルを)踏み間違えてヒヤリとした経験があるか」という設問に「ある」と回答したのは、40代以下で33・3%。70代で8・1%。80歳以上は13・5%だった。
田中社長は「若い人ほど危険を素直に危険と認識していて、高齢者は危険を危険だと実感していないという結果だと思います」と指摘する。車に最初から自動ブレーキ機能が付いていたのは17・2%。補助金を利用して付けたのは2・5%。補助金を利用せずに付けたのは2・6%。何も付いていないのが残りの77・7%という結果だった。
調査日が制度開始1週間後だからかもしれないが「何もついていない」と回答した人に「補助金の利用意向」を聞くと、70代は57・2%。80歳以上は45・1%がその意向があるという結果だった。
「認知度はまずまずだが、対策をしようという高齢者は少ない」との課題が見えた。