厚生労働省は5日、小林製薬(大阪市)から紅こうじ原料の供給を受けている食品メーカーなど173事業者に依頼していた調査の結果、健康被害が報告された製品はなかったと発表した。
厚労省によると、小林製薬は紅こうじ原料を52事業者に卸しており、さらに卸などを通じ、重複を含めて173事業者が供給を受けている。
厚労省は全225事業者に対し、①過去3年間に医師からの健康被害報告が1件以上あったか②1日に摂取する紅こうじの量が、小林製薬のサプリメントよりも多い製品があるか――について自主点検を求めていた。52事業者からはすでに該当なしとの回答があるため、全事業者で該当する製品はなかったことになる。
健康被害の相次ぐ小林製薬のサプリ3製品については食品衛生法に基づく回収命令が出されているが、厚労省は5日、3製品以外については回収命令の対象になりうる「有害な物質が含まれている恐れがある」ものではないとの判断を示した。
一方、厚労省は小林製薬製品による健康被害の報告について4日時点で、医療機関を受診した人は1120人、入院した人は196人に上ると公表した。また、消費者庁と合同で運営する小林製薬の紅こうじサプリに関するコールセンター(03・3595・2760)については、9日からフリーダイヤル(0120・388・687)に変更する。土日祝日を含め午前9時から午後9時まで受け付ける。【添島香苗】