伊豆諸島の鳥島東方海域で海上自衛隊のSH60K哨戒ヘリコプター2機が訓練中に墜落し、1人が死亡、7人が行方不明になった事故で、2機が無線を通じて機体の位置情報などを共有できる「僚機間リンク」と呼ばれるシステムを使用していなかったことが22日、関係者への取材で分かった。海自は2機のフライトレコーダー(飛行記録装置)から取り出したデータの解析を進めており、事故との因果関係を慎重に調べている。
2機は衝突した可能性が高く、海自は訓練に参加していたほかの艦艇の乗組員や、同時に飛行していて無事だったヘリ1機の搭乗員からの聞き取り調査も行い、事故原因の解明を本格化させる。
木原稔防衛相は22日の記者会見で、海自厚木航空基地(神奈川県)に運び込んだ飛行記録装置からデータを無事に取り出せたと説明。現時点で、飛行中の機体に異常を示すデータはなかったという。海自と海上保安庁は同日も24時間態勢で行方不明者や機体の捜索を続けた。