冬眠から目覚めたクマの被害が全国で相次ぐ…「場合によっては攻撃して死んだ人間を食べるようになる」専門家が警鐘を鳴らす

今、冬眠から目覚めたクマによる被害が相次いでいます。2023年度、クマによる人的被害は過去最多を記録。そんな中、明らかになってきたのが本来は木の実などを食べているクマが“肉食化”してきているのではないかということ。「肉の味」を知ってしまったクマが今後さらなる被害を出してしまうのでしょうか。 4月に北海道根室市で撮影されたドライブレコーダーの映像には、画面の左、子グマらしきクマが林の中に姿を消すと、右からもう一頭のクマが現われ体当たりする様子が映っています。車は前方が大きく壊れ、フロントガラスがひび割れていました。 岩手県岩泉町でも、男性がキノコ採りをしている途中、突然クマが現れて襲ってきました。 時に人間に対しても牙をむくクマ。5月18日土曜日、秋田県鹿角市の山林で男性の遺体が見つかりました。この直前、男性の捜索に向かっていた警察官2人がクマに襲われ両腕や顔などに大ケガ。遺体で見つかった男性は山菜採りに出かけていてクマに襲われた可能性があり、県はこの地区を含む2か所を入山禁止にしています。 これだけではありません。5月21日、北海道東部の別海町の牧場ではクマが子牛を襲い、4頭がケガ、4頭が死んだ状態で見つかりました。 関西でもクマ被害は起きています。4月、京都府福知山市で、クマが飲食店の倉庫に居座る騒動が起きたほか、5月には兵庫県丹波市で罠に捕獲されていたシカをクマが襲い、奪っていったとみられています。 (兵庫県丹波市農林振興課・岡本渡さん)「檻の底の網が破られていたので、おそらくクマがここから取りだしたのではないかと。斜面の方に転がり落ちていて、そこにはクマと思われる毛が残っていた」 (近隣住民)「午後6時ごろになったら家の中に入って鍵をかけて外に出ないようにしている。怖いです」 (近隣住民)「しょっちゅう出てくるようになると困るので、早く対策をしてくだされば」 市はクマを捕獲するための罠を設置するなど警戒を強めています。 相次ぐクマの被害について、専門家はこう話します。 (日本ツキノワグマ研究所 米田一彦所長) 「相当肉食性が強くなってくると子牛を食べたり、場合によっては攻撃して死んでしまった人間を食べるようになってくる。(Q本来クマは何を食べる?)雑食で多種多様なものを食べるんですけど、山菜と言われるやわらかい草を食べるわけですね。そのほか木の葉とか芽とかを食べるんですけど、秋になると冬に備えてどんぐり類が主な食べ物になります」