「ほぼ全裸」ポスター通じて「女性の性表現の自由について取り上げたく」 候補者が取材に持論展開、「一夫多妻制」も主張

東京都知事選(2024年6月20日告示、7月7日投開票)のポスター掲示板に、ほぼ全裸の女性の写真を使ったポスターを貼る様子の動画がSNSに投稿され、波紋を広げた。なぜ全裸の女性を採用したのか。J-CASTニュースはポスターを作った候補者の河合悠祐氏に話を聞いた。
河合氏はその後、迷惑防止条例違反に当たる可能性があるとして警視庁から「警告」を受けたとして、撤去を進めていることを明らかにしている。
「性表現は本来隠すような汚らわしいものではありません」
河合氏は、赤いスーツに顔を白塗りにした姿で「ジョーカー議員」として活動してきた。今回は顔を緑色に塗り、黄色いスーツで活動するようだ。
波紋を広げたのは、ほぼ全裸の女性の写真とともに「表現の自由への規制はやめろ」と記載されたポスターだ。モデルになった女性本人が投稿すると、批判が寄せられ、ひろゆきこと西村博之さんもXで「『子供が見る』という視点が全くないのか、頭が悪いのか、どちらなのでしょうか?これが合法なんて世も末ですね」と反応した。21日までに、この動画は削除されている。
河合氏はこのポスター以外にも、別デザインの「ほぼ全裸」ポスターや一夫多妻制を訴えるポスターをXで紹介している。
なぜこうしたポスターを制作したのか。20日にJ-CASTニュースの取材に応じた河合氏は、選挙時には毎回表現の自由の重要性を主張しているといい、「今回は、女性の性表現の自由について取り上げたく、今回のポスターになったという趣旨です」と説明した。
Xでは、子どもが見る可能性があり不適切だとの声が相次いでいたが、これについては、「性表現は本来隠すような汚らわしいものではありません」と主張した。
と訴えた。
一夫多妻制主張の理由を長文回答
ポスターで一夫多妻制、表現の自由への規制反対を訴えている理由を尋ねると、「同性婚は当然のこと、結婚する人数の自由化も含めて、もっと多様性を認めるべき」として「『家族法の改正』を行うべきと考えています」と回答。その根拠は「少子化問題にあります」として、次のように訴えた。
迷惑防止条例で警告、「早速自身で夜な夜な何枚も剥がしているところ」
河合氏は取材に応じた数時間後の21日午前1時前、Xで「迷惑防止条例違反に当たる可能性があるとして『警告』を受けました」と報告。過去にも別の人が同レベルで肌が露出したポスターを掲示していたとして「合法の範囲内という認識」だったと説明した。
非常に無念としつつも「私はあくまでルールの範囲内で、合法の範囲内で選挙を行う意向ですので、警視庁がルールを示した以上ポスターは速やかに剥がしていく予定です」とした。しかし、「早速自身で夜な夜な何枚も剥がしているところですが、初日でかなりの数を貼ってしまいましたので、ここから剥がすのはかなり時間がかかります」として協力者を募集した。
「他にも多くの政策を記載したポスターがあるので、なんとか差し替えていければと思っております。まずはしっかり剥がす作業を行いたいと思います」と宣言した。
河合氏は取材に、このほかにもポスターは「全部で約300種類を用意しております」と明かしている。
21日朝に記者が東京都庁前のポスター掲示板を確認したが、ほぼ全裸のポスターは、がされた後だった。河合氏のポスターはなく、代わりのポスターにはまだ差し替えられていないようだった。