愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」への補助金7820万円を文化庁が不交付としたことを受け、補助事業を選定する外部審査員を務めた野田邦弘・鳥取大特命教授(文化政策)が2日、文化庁に辞任を申し出た。不交付決定前に外部審査員への意見聴取がなく、「外部審査員の意味がない」と辞任の理由を説明している。
この補助事業は「日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業(文化資源活用推進事業)」。外部審査員6人(氏名非公表)の審査を経て、4月25日付で国際芸術祭を含む26件の採択が決まった。5月30日、愛知県から補助金交付申請書が提出され、文化庁は受理したが、8月に企画展「表現の不自由展・その後」が脅迫を受けて中止された後、9月26日に全額不交付を発表した。
野田教授は3日、毎日新聞の取材に「不交付決定の発表後に文化庁から『事務的な審査を行い、文化庁内部で不交付を決めた』と連絡があった」と決定前に外部審査員への意見聴取がなかったことを明らかにした。その上で「これが繰り返されれば、外部審査員の意味がなくなり、政権の意に沿わない表現は芸術に限らず自粛を余儀なくされる。大変な問題だ」と指摘した。【大場伸也】