フォークグループ「古井戸」元メンバーのシンガー・ソングライター、加奈崎芳太郎さん(70)=長野県諏訪市=がパーソナリティーを務める諏訪地域のコミュニティーFM「エルシーブイFM」で放送中の「加奈崎芳太郎のDig It!」が書籍化された。計98回分を再編集して一人称で口述記録した「キッス・オブ・ライフ~ジャパニーズポップスの50年を囁(ささや)く~」(明月堂書店)。9月25日から全国の書店で発売している。
加奈崎さんは札幌市出身。大学を中退して音楽活動を始め、1970年に4人組の「古井戸」を結成し、70年代のフォークミュージックシーンをけん引。泉谷しげるさんや武田鉄矢さん、忌野清志郎さん(故人)らとも親交を深めた。
97年に諏訪に移住して22年。2014年8月、金曜午前0時から1時間の深夜番組「加奈崎芳太郎のDig It!」を始め、仲間との交流や音楽への思いを語ってきた。
音楽活動50周年を機に集大成として書籍化を企画。14年8月~15年10月の64回分と18年8月~19年3月の34回分を、加奈崎さんの音楽人生に沿ってストーリー性を持たせた構成に仕上げた。質の高い音楽を作っていたことで世界的に高く評価されているという70年代のフォークソングやニューミュージックのど真ん中にいた加奈崎さん。出版元の明月堂書店(東京)は「音楽文化を通して日本の戦後史の実像を後世に伝える一冊」と話す。
A5判ハードカバーで416ページ、3000円(税別)。ボーカリストとして「心の大師匠」と仰ぐレイ・チャールズへの思いや古井戸時代などを通じて、今を生きるすべての表現者たちへのメッセージとなっており、加奈崎さんは「本は多くの人たちの共同作品。フォークソングで育った世代や、若い人にも読んでほしい」と話す。
出版を記念して12日午後1時からJR上諏訪駅前の交流テラス「すわっチャオ」で同番組の公開収録を諏訪市と共催で開く。加奈崎さんのミニライブとサイン会もある。参加自由。問い合わせは明月堂書店(03・5368・2327)。【宮坂一則】