さいたま市の中学生を対象にした職場体験で、JR東日本大宮支社が、走行電車の最後尾にある乗務員室に子どもたちを乗せていたことが分かった。JR東日本輸送サービス労働組合大宮地方本部は「機器に誤って触れる恐れがあった」として、同支社に対し、即刻中止することなどを申し入れている。
同本部や同支社などによると、職場体験は7月10日に実施された。市内の中学生6人が2人ずつに分かれ、大宮―上野駅間を走行する3本の京浜東北線の乗務員室に乗り込んだ。車掌のほか引率役の社員1人が同乗していたという。
体験乗車は乗客や、同線を運行する県外の運輸区に周知されていなかった。対向電車の乗務員が、乗務員室の窓から中学生が顔を出しているのを見つけた。同本部は29日、「安全に関する想像力が欠如していた」として体験乗車の中止を同支社に求めた。
同支社は読売新聞の取材に「必要な社内手続きを経ており、安全上問題はない」と説明。「労働組合側の主張に対し、会社としてコメントする立場にない」とした。
2015年には、JR東日本の車両基地内で、運転士の体験イベントに参加していた子どもが誤って電車を発車させるトラブルが起きている。