官房長官は与党幹部に根回し、自民党議員は情報収集に…突然の退陣表明に関係者は奔走

岸田首相の記者会見は14日午前11時30分から急きょ始まった。記者団に正式に案内されたのは、会見開始の25分前で、普段であれば同席する正副官房長官は姿を見せず、同席したのは首相秘書官だけだった。
林官房長官はこの間、電話で与党幹部に根回しするなど、対応に奔走していた。国会議員の大半が地元に戻るお盆休みのさなかの決断だっただけに、自民党の議員も情報収集に追われた。
首相は約20分間の記者会見で、政治への信頼回復のために退陣を決めたと説明しつつ、任期中の3年間の実績に強い自負ものぞかせ、続投断念に追い込まれた無念さをにじませた。
決断のタイミングを記者団に問われると、外交・内政の懸案に一定のメドをつける必要があったと答え、「今後の方向性をしっかり示す。これだけはやった上で不出馬表明をしたいと強く思ってきた。政治家の意地だ」と強調した。