第200回臨時国会が2019年10月4日に召集され、安倍晋三首相は衆参両院本会議で所信表明演説を行った。憲法論議を進めるよう訴える一方、社会保障制度改革や消費増税対策にも理解を求めた。
演説の序盤には難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」患者で、れいわ新選組の舩後靖彦参院議員について、「当選を、友人として、心よりお祝い申し上げます」と述べた。所信表明演説で野党議員に言及するのは異例で、直後には「令和の時代を創り上げるため、国政の場で、共に、力を合わせていきたい」とも。一部では、「思わせぶり」だとの声もあがった。
安倍氏の街頭演説を聴きにきていた舩後氏
実は、両氏の交流の歴史は長い。安倍氏が16年5月の参院決算委員会で、ALS患者との交流経験を聞かれて答弁したところによると、自民党幹事長時代(03~04年)、安倍氏が千葉駅前の街頭演説に舩後氏が聴衆として車いすで訪れ、安倍氏が名刺を渡した。これがきっかけにメールでのやり取りが始まったといい、
と答弁。舩後氏は参院議員当選後の19年9月4日にも首相官邸を訪ねている。
今回の所信表明演説では、「一億総活躍社会」に触れる中で、次のように舩後氏に言及した。
「党としての『れいわ』を言ったのか、時代としての令和を言ったのか」
ただ、様々な読み方ができそうなのが、その続きだ。
例えば岡田克也・元外相は「党としての『れいわ』を言ったのか、時代としての令和を言ったのか、よく分からないところがある」「これ、舩後さん個人について言っているのか、『れいわ』という党について言っているのか、よく分からないんだよね」。「国政の場で、共に、力を合わせていく」対象が、舩後氏個人とも、党としての「れいわ」とも読める、というわけだ。
舩後氏への言及については
とする一方で、
と訝しんでいた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)