8月26日(月)15時現在、強い台風10号(サンサン)は日本の南を西北西に進んでいます。西寄りに進んでいる分だけ接近が遅くなり、28日(水)~29日(木)に上陸するおそれがあります。暴風や大雨が長期間にわたるため、十分な備えが必要です。▼台風10号 8月26日(月)15時 中心位置 日本の南 大きさ階級 // 強さ階級 強い 移動 西北西 20 km/h 中心気圧 980 hPa 最大風速 35 m/s (中心付近) 最大瞬間風速 50 m/s
日本の接近が遅れ、進路の不確実性は非常に大きい
台風の南にある寒冷渦の影響を強く受け、進路は西寄りに変化してきています。その分だけ西日本への接近も遅れ、北上と加速を促す上空の気圧の谷やジェット気流の影響が小さくなるとみられます。ジェット気流に乗った場合は速度が上がり、北寄りに進む一方で、乗れない場合は速度が遅く東寄りに進むことになる見通しです。ヨーロッパやアメリカなどのコンピューターシミュレーションによる31日(土)9時の台風(低気圧)の中心位置をプロットすると、非常に大きなばらつきがあり、進路、速度の双方の不確実性が高くなっていることがわかります。現時点では様々なパターンに応じた対応策を検討するようにしてください。
暴風が続き停電などの影響が長期間にわたることも
台風10号が「非常に強い」もしくは「強い」勢力で近づく奄美地方や九州を中心に暴風の影響が大きくなることが懸念されます。奄美では明日27日(火)から、九州は28日(水)頃からは瞬間的に40~50m/sの猛烈な暴風が吹き荒れるおそれがあります。台風の北上、東進に伴って、そのほかの各地も風が強まる見込みです。日本列島通過時の台風の移動速度が遅いため、停電や物流への影響などが数日にわたり継続するおそれがあるため、早めの備えをお願いします。
総雨量は500mm以上 台風の動き次第でさらに増えるおそれ
また、すでに台風の最も外側の雨雲が西日本にかかり始めました。西日本から東海では南東からの風が山にぶつかる地域などで雨量がかなり多くなるおそれがあります。九州や四国の太平洋側の多い所では総雨量が500mm以上、東海でも300mm以上に達する予想で、河川の氾濫や土砂災害等に警戒が必要です。台風の動きがより遅くなった場合は、強い雨が長引いて、記録的な大雨となる可能性があるため、避難などを行う場合は早めに判断するようにしてください。
台風の暴風域に入る確率
5日先までに台風の暴風域に入る確率が50%以上の府県予報区は以下の通りです。(気象庁) 愛媛県 52% 高知県 51% 福岡県 54% 佐賀県 51% 長崎県北部・南部 56% 熊本県 64% 大分県 59% 宮崎県 66% 鹿児島県 薩摩・大隅地方(甑島除く) 77% 甑島 66% 種子島・屋久島地方 84% 奄美地方 93%27日(火)以降は暴風警報、波浪警報、高潮警報、大雨警報などが発表される可能性があります。台風の進路や進行速度によっては交通機関への影響も拡大し、鉄道の運転見合わせや高速道路の通行止めなどの影響が長引き、エリアが広がることが考えられます。
台風から遠い北日本でも大雨のおそれ
北日本は前線の活動が活発になるため、台風から離れていても大雨となる可能性があります。早い所では今夜から雨が降り、明日は北海道から東北北部で雨の強まる可能性があります。局地的には1時間に50mm以上の非常に激しい雨の降るおそれがあり、総雨量は多い所で100mmを超える予想です。河川の増水や土砂災害などに警戒が必要です。また、前線が南下する明日の夜以降は7月に水害に見舞われた秋田県や山形県でも雨の強まる可能性があるため、今後の情報に注意をしてください。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。台風10号の名前「サンサン(Shanshan/珊珊)」は香港が提案した名称で、少女の名前が由来です。