29日午前8時35分ごろ、横浜市泉区中田南の市営地下鉄ブルーライン踊場駅で、回送電車が停止場所の車止めを突っ切って壁に衝突した。市交通局によると、男性運転士(42)が居眠りをしてブレーキをかけられなかったためとみられる。
市営地下鉄では今年6月、線路から撤去し忘れた保守点検用装置に電車が乗り上げ、脱線する事故があったばかり。相次ぐ事故に、市交通局の三村庄一・高速鉄道本部長は「前の事故の反省から、安全な地下鉄を提供しようと努めている中で事故が起き、本当に申し訳ない」と陳謝した。
車内に乗客はいなかったが、運転士が足に軽いけがをした。電車は車止めを壊して約30メートルオーバーランし、壁にぶつかった。1両目前部がへこんだりガラスが割れたりした。電車はあざみ野駅発で終点の踊場駅で乗客を降ろして回送となり、折り返し運転を行うための線路(引き込み線)に入った後に事故が起きた。
市交通局によると、運転士は28日午後3時34分から29日午前10時17分までの勤務で、29日午前1時過ぎから約4時間、仮眠をとった後に乗務していた。当直勤務に際し、交通局は内規で4時間以上の仮眠を指示している。運転士は「引き込み線に入った後、居眠りしてしまった」と話しているという。【田中義宏】