韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことで、日本の安全保障環境が激変する可能性が出てきた。国内最大のホテルネットワークを持つアパグループの代表で、保守系言論人としても活躍する元谷外志雄(もとや・としお)氏が、東アジア情勢と憲法改正について語った。
「文大統領の判断はあり得ない。GSOMIAによって高度な衛星情報などを得られていたのは韓国だった。破棄で、日本だけでなく、米国まで激怒させた。経済政策の失敗で追い詰められて、『反日』強硬姿勢で支持率を上げようという計算なら、墓穴を掘ったとしか言いようがない」
元谷氏はこう語った。
ドナルド・トランプ米大統領は、フランスでのG7(先進7カ国)首脳会議で、文政権について「韓国の態度はひどい」「何で、あんな人が大統領になったんだ」などと批判したとされる。
元谷氏は「韓国を同盟国扱いしていない」と驚き、続けた。
「一部で『在韓米軍撤退・米韓同盟破棄か』という報道があるが、軍にそういう認識はないだろう。東アジアで最も警戒すべきは中国だ。北朝鮮の核・ミサイルも『中国の介入を防ぐため』との見方もある」「いわゆる『元徴用工』の異常判決や、韓国海軍駆逐艦によるレーダー照射事件、国会議長による『天皇陛下(現上皇さま)への謝罪要求』など、文政権の対応はおかしい。日本の歴代政権が甘やかしてきた弊害ではないか」
鳩山由紀夫元首相や、自民党の石破茂元幹事長など、日韓対立の激化について「日本に問題」「原点は日本」と指摘する人々もいる。
元谷氏は「情けない。韓国の評論家、金完燮(キム・ワンソプ)氏が17年前に書いた『親日派のための弁明』(草思社)を読み直した方がいい。歪曲(わいきょく)された歴史認識から抜け出せるのではないか」と勧めた。
この安保環境を、日本はどう乗り切るべきか。
元谷氏は「北朝鮮主導で朝鮮半島が統一されれば、日本の近くに『核兵器を持った人口約8000万人の反日国家』が出現しかねない。深刻な脅威だ。自分の国は自分で守る。今こそ憲法を改正して、抑止力を高めなければならない。非核三原則についても見直すべきだ」と語っている。