熊本市教育委員会は3日、同市東区の市立小学校で、全児童を対象に行ったアンケートの集計結果をまとめた内部文書1枚(A4判)を誤って図工の工作用紙として使い、児童が持ち帰っていたと発表した。
いじめに関する項目で、「グーパンチされた」などと被害を訴える内容や児童の実名も記載されていたという。
市教委によると、2日にあった2年生の図工の授業で使用された。個人情報が記載されていたにもかかわらず、適切に処理されず、用紙の「再利用ボックス」に入れられていたことが要因とみられる。持ち帰った児童の保護者が気付き、3日朝に学校に連絡。学校は関係する保護者に謝罪したという。
アンケートは、熊本地震後のストレスなどを把握するのを目的に、定期的に行っている。流出したのは、9月に実施したうち、「友達から嫌なことを言われたりされたりしましたか」「友達関係で心配な事がありますか」の2項目の結果をまとめた文書。複数の児童の名前が記され、「仲間に入れてもらえなかった」といった内容もあった。
原本は学校にあり、一部の職員で情報を共有するため、複数コピーされていたという。
市教委は「個人情報が記載された用紙が誤って利用され、関係する児童と保護者に深くおわびする。再発防止を徹底する」としている。