「まるで暴力団」発言 NHK側「そのような事実ない」 郵政副社長の見解対立

かんぽ生命保険不正販売をいち早く追及したNHKの番組「クローズアップ現代+(プラス)」を巡り、日本郵政グループの要求を受けたNHK経営委員会が上田良一会長を厳重注意した問題で、野党は4日、国会内で合同ヒアリングを開いた。NHKの取材手法を「暴力団と一緒」と発言した元総務省事務次官の鈴木康雄・日本郵政上級副社長と、NHK側の主張が対立した。鈴木氏から「暴力団」と発言したことへの謝罪は一切なかった。
3日の野党合同ヒアリングの後、鈴木氏は記者団に「取材を受けてくれれば(情報提供を呼びかける)動画は消すなんて、そんなこと言ってるやつの話なんて聞けるかってんですよ。まるで暴力団と一緒でしょ」とNHKの取材手法を批判した。
鈴木氏は4日のヒアリングでも「(昨年)7月30日にディレクターが来て(郵政側広報担当者に)はっきり言った」と述べ、改めてNHK側を批判した。
一方、4日のヒアリングに出席したNHKの木田幸紀放送総局長は「丁寧に取材交渉をしていたと認識している。改めて確認したがそのような事実はない」と否定した。【松尾知典】