【永田町番外地】#7
支持率30%台の低空飛行を続ける石破内閣はいつ倒れてもおかしくない状況だ。その最初の試金石となるのが来月にもワシントンで予定されているトランプ次期米大統領との首脳会談である。
「日米同盟をさらなる高みに引き上げたい」「北東アジア情勢について認識を一にすることは大事だ」
石破は昨年暮れの臨時国会閉会後、首脳会談への意気込みをこう語っていたが、トランプが寵愛した故・安倍晋三元首相が忌み嫌い侮蔑の対象にしていた石破に対するトランプの不信感、警戒心を解きほぐすのは容易ではない。大統領選直後にトランプが石破との早期会談を拒否したことからも察しがつく。石破自身もそのことを十分に自覚してのことだろう。石破は昨年12月24日、安倍元首相からトランプとの“個人的な関係”を引き継いだ麻生太郎元首相を招き入れ教えを請うた。
「麻生さんの石破嫌いは、安倍さんやトランプ以上かもしれません。なにせ麻生内閣の閣僚のくせして倒閣に動いた裏切りモノですからね。それでも天下国家を思い、いろいろアドバイスしたようです」とは、麻生派所属議員の一人だ。
漏れ伝わるところによれば、麻生はこのとき、石破とリチャード・アーミテージ元国務副長官との“近すぎる”関係を指摘したようだ。
「アーミテージはレーガン、ブッシュの共和党政権下で取り立てられ、出世の階段を駆け上がったにもかかわらず、2016年の大統領選ではトランプを裏切り、民主党候補のヒラリー・クリントンの支持に回った。いわば、石破と同じ裏切り者です」(同前)
しかも現在、アーミテージが経営する政治コンサルタント会社は、トランプが“米国最大の脅威”として解体をもくろむ産軍複合体ディープステートのメンバーとみなされている。
石破との“近すぎる”関係は、アーミテージがアジア担当の国防次官補を務めたレーガン政権時代に遡る。自民党国防族の若手ホープとして頭角を現していた石破は2001年に森内閣の防衛庁(現・防衛省)副長官に就任。翌2002年、小泉内閣で防衛庁長官として初入閣を果たし、ブッシュ政権下で起きたニューヨーク同時多発テロ後の有事法制の制定や自衛隊のイラク派遣を手掛けた。このとき、石破が対米交渉の窓口として頼りにしたのがアーミテージだった。
「石破はアーミテージが来日するたびに田町(東京・港区)の料亭に女子大生コンパニオンを呼んでドンチャン騒ぎをしていましたよ」
当時、石破に仕えた防衛省の職員はこう振り返る。
とんだ“夜の戦友”である。麻生ならずとも懸念するはずだ。(特命記者X)