茨城・鹿島沖の漁船転覆 海保、業務上過失致死などの疑いで捜査

茨城県の鹿島港沖でイワシ漁をしていた巻き網漁船が転覆・沈没した事故について、鹿島海上保安署は8日、業務上過失致死と業務上過失往来危険の容疑で捜査をしていると明らかにした。乗組員など関係者からの聞き取りを進めている。
事故は6日午前2時5分ごろ鹿島港から東約31キロの沖合で発生。大津漁協(北茨城市)に所属する漁船「第8大浜丸」(80トン)が転覆・沈没した。日本人とインドネシア人の乗組員20人のうち17人が救助されたが50代と60代の日本人男性2人が死亡。8日午後8時現在、3人が行方不明となっている。
乗組員は「網に魚が多く入ったことで徐々に船体が傾いた」と証言しているが、海保は過失があるとみて捜査している。
鹿島海保は横浜、銚子両海上保安部の応援を受けて行方不明者の捜索を続けている。鹿島海保によると、船の中に行方不明者が取り残されている可能性もあるが、沈没した船は水深が200~300メートルと深いため海上からは見えない。そのため船や航空機を使い、海面に行方不明者や手がかりが浮かんでいないか捜索している。【信田真由美】