祖父母ら3人殺害の男に懲役30年判決…弁護側は別人格「ボウイ」が現れる精神障害と無罪主張

浜松市中央区の自宅で2022年3月、祖父母ら3人を殺害したとして殺人罪に問われた無職山田悠太郎被告(25)の裁判員裁判で、静岡地裁浜松支部(来司直美裁判長)は15日、懲役30年(求刑・無期懲役)の判決を言い渡した。弁護側は無罪を主張していた。
起訴状などでは、山田被告は22年3月8日夜、祖父(当時79歳)と祖母(同76歳)、兄(同26歳)の頭をハンマーで殴るなどして殺害したとしている。
被告は公判で、幼少期に家族から虐待を受け、「ボウイ」という別人格が現れる精神障害があったと説明。「人を殺した自覚はなく、殺した記憶もない」と述べていた。
刑事責任能力の有無や障害が事件に与えた影響が主な争点となり、検察側は「別人格での思考も、本人の人格の一側面だった」として責任能力があったと指摘。一方、弁護側は「別人格による犯行で、主人格は行動を制御できなかった」として責任能力はなかったと主張していた。