ススキノ切断遺体、父親が「ホルマリン購入」検索か…公判で検察側「頭部保管に協力」指摘

札幌市ススキノ地区のホテルで2023年7月、頭部を切断された男性(当時62歳)の遺体が見つかった事件を巡り、殺人や死体損壊などの各ほう助罪に問われた精神科医・田村修被告(61)の裁判員裁判の第3回公判が21日、札幌地裁(渡辺史朗裁判長)であった。検察側が提出証拠の内容を説明し、娘の瑠奈(るな)被告(30)(殺人罪などで起訴、精神鑑定中)が男性を殺害して頭部を自宅に持ち帰った後、修被告が保管に必要となる物品をインターネットで検索していたと指摘した。
起訴状で検察側は、修被告が凶器の購入などを通じて男性の殺害に手を貸したほか、頭部の保管と損壊にも協力したと主張。この日の審理では、殺害翌日の23年7月2日、修被告のアカウントで「ホルマリン購入」と検索した履歴があり、4日にも「標本用ガラス瓶購入」などと検索しているとした。4日の検索は、修被告の職場のパソコンで行われていたという。
一方、修被告の弁護側は「殺害計画は知らなかった」と反論し、殺害後の修被告の行動についても「保管や損壊を容易にした」とは評価できないとして各ほう助罪の成立を否定。全面無罪の判決を求めている。