太平洋戦争中、山口県宇部市の「長生(ちょうせい)炭鉱」で起きた水没事故による犠牲者183人の遺骨収集を目指し、現地で行われていた専門家による潜水調査が2日、終了した。遺骨は見つからなかった。4月に次回調査が行われることになっており、関係者は望みをつないでいる。
調査は市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が1月31日から実施。最終日、協力を申し出た水中探検家の伊左治佳孝さん(36)が坑口から約265メートル先(水深約29メートル)まで進んだ。約1時間半、水没した坑道内を調べ、石炭や銅線を持ち帰った。
伊左治さんは調査後、「人が働いていたことを感じさせる痕跡を見つけることができた。少しずつ、できることを積み重ねて、遺骨に近づいていきたい」と語った。
同会の井上洋子・共同代表(74)は「さらに調査を進めて、遺族が遺骨と対面できるように頑張っていきたい」と話した。
次回の調査は4月1、2日に予定している。韓国人ダイバー2人も一緒に水中に入るという。
事故は1942年2月3日、沖合約1キロの地点で発生。海底に延びる坑道の天井が崩れて海水が流れ込み、炭鉱は水没した。犠牲者の7割超は坑内作業に従事していた朝鮮半島出身者。日本人を合わせた犠牲者183人の遺骨は今も見つかっていない。