八潮陥没、運転手捜索の妨げになっていた農業用水路の撤去開始…穴の内部で「宙づり」状態

埼玉県八潮市で県道が陥没し、トラックが転落した事故で、県は7日夜、穴の内部で「宙づり」になっていたコンクリート製の農業用水路の撤去を始めた。崩落の危険があり、安否がわからない70歳代男性運転手の捜索の妨げになっていた。2日程度で撤去できる計画だが、穴の中には大量の水がたまっており、捜索はなお難航が予想される。
県は、薬液を注入した地盤改良や、現場近くの民家など16軒への避難の呼びかけが終了したことから、午後7時半頃から作業を開始した。用水路を長さ20~30メートル程度撤去する方針で、2台の重機が現場に入って解体を続けた。
用水路は、穴の内部に重機を入れるために造成した、2本目のスロープ近くに埋設されていた。八潮市によると、ボックスカルバートと呼ばれるコンクリート製の箱(縦横1・5メートル、長さ2メートル、重さ推定5トン)をつなげたもので、現在は使われていない。
陥没でできた穴から湧き出た水が、地表近くにある用水路を支えていた土砂を浸食して「宙づり」状態となり、崩落の危険性が高まっていた。県は消防が穴の中で安全に捜索活動を始められるよう、撤去方法を検討してきた。作業は9日朝に終了する見込みという。