石破首相は9日のNHK番組で、7日のトランプ米大統領との会談で日本の自動車に対する関税引き上げについて具体的な議論はなかったと明らかにした。「日本の対米投資は過去5年間、世界一だ。他の国とは違うことを大統領もよく認識している」と述べた上で、「日本の自動車産業はそれだけ雇用も生み出している。それでも関税(引き上げ)だ、という話になるか。ストレートにそうはならないだろう」との見通しを示した。
トランプ氏は近く、各国との相互関税について方針を発表するとしており、日本への影響を警戒する声が出ている。
首相は番組で、エネルギー調達の多角化に向けて検討している米国産の液化天然ガス(LNG)の輸入拡大に関し、「米国からのLNGを増やすことになれば、その分(米国の対日貿易)赤字は減っていく」と指摘し、トランプ氏が問題視する貿易赤字の解消にもつながると説明した。
初対面となったトランプ氏の印象を問われ、首相は「テレビで見る限り怖そうなおじさんだが、実際に会ってみると、人の話をよく聞く方だ。これから先、かなり落ち着いてじっくり話ができるな、という印象を持った。相性は合うと思う」と手応えを語った。