27日告示、3月16日投開票の千葉県知事選を巡り、立候補を表明している現職の熊谷俊人知事(46)が12日、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(57)が熊谷氏を支援する「2馬力選挙」を行うと発言していることについて言及した。
熊谷氏は立花氏の名指しを避けつつも、「少なくとも私自身は、候補者が自らの当選を目的とせず、他の候補者の応援をするのは決して望ましいことではないと思う。やめていただきたい」と明確に拒否する考えを明らかにした。
昨年11月の兵庫県知事選では、再選した斎藤元彦知事(47)が街頭演説した場所や時間を見計らったようなタイミングで立花党首が登場。そのまま斎藤氏をヨイショしたり、パワハラ疑惑などを否定したりする演説が繰り広げられ、聴衆から拍手喝さいを浴びる場面がみられた。
こうした行為が千葉県知事選でも行われる場合の対応を問われた熊谷氏は「有権者の政策を聞く権利が阻害される可能性がある」と言い、「知事の立場ではなく一立候補予定者として、法律の専門家や選管、県警に相談しながら、速やかに対処できるようにしておきたい」と話していた。
■石破首相「2馬力選挙」について法改正の必要性を唱えていたが…
「2馬力選挙」について兵庫県選管は1月、総務省に公職選挙法の趣旨を徹底させるための法整備を求める要望書を提出。石破茂首相(67)も4日の衆院予算委で、「法改正をはじめ、誰もが納得する選挙運動のあり方の確立は喫緊の課題だ」と答弁するなど、法規制に向けた動きが進んでいる。
「迷惑。やめてほしい」。「2馬力選挙」について熊谷氏がこうキッパリ否定するのは当然なのだが、対照的なのが斎藤氏だろう。
斎藤氏は知事選以降、会見などで度々、立花氏が公言していた「2馬力選挙」の是非などを問われているのだが、批判的な発言はほとんどみられず、「(立花氏と)直接会ったこともなかった」「自分ができる選挙を街頭演説含めて日々懸命にやらせていただいた」と繰り返しているからだ。
斎藤氏はなぜ、今もなお立花氏の「2馬力選挙」について、「迷惑だった」「やめてほしかった」「有権者をバカにした行為だった」と断言しないのか。「2馬力選挙」と無関係だったのであればこそ、踏み込むのは当たり前。少なくとも選挙制度を管轄する総務省の元官僚としても否定的な発言があって然るべきではないのか。
斎藤氏が立花氏を真正面から痛烈に批判できないワケは何か。現在、兵庫県警と神戸地検が知事選について公職選挙法の疑いがあるとの告発を受け、捜査を進めているが、指摘されている問題以外にも「闇」が隠れているのか――。
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