北海道旭川市で2021年、いじめを受けていた市立中2年広瀬爽彩さん=当時(14)=が自殺した問題で、市が適切な対応を怠ったなどとして、広瀬さんの母親が1億円超の損害賠償を求め旭川地裁に提訴したことが15日、関係者への取材で分かった。
提訴は広瀬さんが失踪して4年となる13日付。関係者によると、母親側は、広瀬さんがいじめを受けていたのに市が対策を講じなかったとし、安全配慮義務違反に当たると主張している。
市は昨年9月、いじめと自殺の因果関係を認めた再調査委員会の報告書を公表。それによると、広瀬さんは19年の中学入学後からクラスメートの悪口や、先輩からの性的要求など7件のいじめを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した。
報告書は、交流サイト(SNS)への投稿の詳細な分析などから、恐怖心や自尊感情の低下などが継続し「いじめがなければ自殺は起こらなかった」と結論付けた。
学校側の対応については、広瀬さんが心身の苦痛を感じていたことを正しく評価しなかったとした。