自民、立憲民主両党などが20日、選挙ポスターに品位保持などを求める公職選挙法改正案を衆院に共同で提出。候補者が当選を目指さずに他候補を応援する、いわゆる「2馬力選挙」やSNS上の偽・誤情報への対策について今後検討を進める方針を明記した。
昨年夏の東京都知事選の際には、ほぼ全裸の女性や風俗店の宣伝を載せた選挙ポスターが掲示され、問題化した。改正案ではポスターについて「品位を損なう内容を記載してはならない」と規定。候補者名の記載を義務化し、特定の商品などを宣伝した場合は100万円以下の罰金に処すると定めた。
「念頭にあるのは(今夏の)東京都議選、参院選だ」。法案提出後、自民党の逢沢一郎選挙制度調査会長(70)はこう語っていたのだが、SNS上などみられるのは、《政治家にとっての「品位」とは外見などに限られない》という意見だ。
衆議院規則「秩序」の第211条には「議員は、議院の品位を重んじなければならない」と規定されている。
「議院の品位を重んじる」という言葉の解釈は多様だが、一般的な理解は、国民の代表者である政治家として名誉と品位を損なう行為を慎み、また、その地位を利用して不正の疑惑を持たれるおそれのある行為などをしない、ことだろう。
その点で言えば、派閥の政治資金パーティーからキックバックされたカネをため込んでいた自民党の裏金議員には果たして「品位」はあるのだろうか。実際、2024年6月の衆院決算行政監視委員会でも野党議員がこう指摘していた。
「自民党は組織的、継続的に裏金をつくっていた。自民党議員85名です。有罪が確定し辞職する、そういう議員も出ました。(略)我々国会議員は、法律や社会のルールを作る立法府の一員で、税金の使い道を決める、納税者の代表でもあります。裏金議員が国会に出席し、予算、立法作業を行っている。私は、そんな資格はないと思いますよ。国会の品位や権威にも関わる、こういう事態だと思います」
その通りだ。自民党の裏金議員は品位を保持するための「政治倫理審査会」でも真摯な姿勢がみられず、知らぬ存ぜぬ。衆院予算委員会で旧安倍派会計責任者、松本淳一郎氏の参考人招致が議決されたにもかかわらず、いまだに実現していない。自民党が「品位」を重視するのであれば、野党と協力して裏金問題の真相解明に全力を尽くすべきなのは言うまでもない。
さらに言えば、衆議院規則第216条には「議事中は濫りに発言し又は騒いで他人の演説を妨げてはならない」ともある。しかし、安倍政権下の予算委などで盛んにヤジを飛ばして目立っていたのが自民党議員だった。
2020年2月12日の衆院予算委では、安倍首相(当時)が、質疑を終えて自席に戻ろうとした立憲民主党の辻元清美氏(64)に対し、「意味のない質問だよ」などと怒鳴るようなヤジを飛ばし、不規則発言として審議が中断する場面もみられたが、こうした言動は「品位を損なう行為」ではなかったのか。
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自民党の裏金問題はいまだ解決していない。●関連記事【もっと読む】で『【独自】自民裏金のキーマンは参考人聴取で“暴露”の可能性…戦々恐々の旧安倍派幹部が本紙に重大証言』【さらに読む】で『旧安倍派会計責任者は「証人喚問」しかない! 野党側に問われる自民裏金事件への本気度』を取り上げている。