100年前の趣ある姿 窯業の営み伝えるミュージアム 愛知・常滑で開館

近代窯業の営みを伝えるINAXライブミュージアム「窯のある広場・資料館」(愛知県常滑市奥栄町)が5日、3年の保全工事を終えてリニューアルオープンする。シンボルの煙突や土管工場だった建物を耐震補強しつつ、約100年前の趣ある姿を残した。【町田結子】
施設は1921~71年まで土管やタイルなどの焼き物製品を製造していた工場で、LIXIL(リクシル、当時INAX)が整備して86年から公開。国の登録有形文化財などにも指定されている。
保全工事では「残す」ことにこだわった。煙突は表面の全てのれんがに番号を付けて解体し、新たに構築した鉄筋コンクリート造りの上に、元と同じ位置で張り付けるという工法を採用。地震でできた亀裂の補修跡も忠実に再現した。また、建屋の外壁の傷んだ部分はエージング処理した黒の杉板と交換。屋根瓦は100年前と同じ製法で造られている「あわじ瓦」を使用した。
一方、建物内では、れんが造りの窯の中に炎の映像を投影し、窯焚(た)きの工程を臨場感たっぷりに再現する「窯プロジェクション」などを新たに展示するなど、現代の技術も取り入れた。
尾之内明美館長は「昔と変わらぬ姿で再生しつつ、古いものと現代を融合させて幅広い年代に楽しんでもらえる施設になった。100年先の後世まで焼き物文化を伝える役割を担っていきたい」と話している。
ミュージアム内にある6施設の共通入館料は一般700円、高校・大学生500円、小中学生250円。水曜休館。問い合わせは同ミュージアム(0569・34・8282)。