「全国犯罪被害者の会(あすの会)」を設立し、犯罪被害者の権利確立に取り組んできた弁護士の岡村勲(おかむら・いさお)氏が2月24日、肺炎で死去した。95歳だった。葬儀は家族葬で行った。お別れの会を後日開く予定。
高知県出身。一橋大大学院を修了後、1959年に弁護士登録し、87年からは日本弁護士連合会副会長を務めた。97年、代理人を務めていた旧山一証券を一方的に恨んでいた男に妻の真苗さん(当時63歳)を殺害された。
遺族が刑事裁判に参加できなかったり、被害補償が不十分だったりする理不尽さを訴え、2000年、家族を奪われた遺族らで「あすの会」を設立し代表幹事に就任。被害者らの刑事裁判参加などの法制化を求め、約56万人分の署名を集めて首相に提出した。
04年に被害者の権利を明記した「犯罪被害者基本法」が成立。被害者が刑事裁判で被告に質問などができる「被害者参加制度」創設に向けた国の議論に加わって、08年の制度導入に力を尽くした。10年には凶悪犯罪の公訴時効の撤廃も実現した。
あすの会は会員の高齢化などで18年に解散したが、被害者への経済的支援が不十分なままだとして、22年に「新全国犯罪被害者の会(新あすの会)」を創立。被害者支援に充てる国の予算拡充などを求め、活動を続けてきた。