手術後の女性患者にわいせつな行為をしたとして準強制わいせつ罪に問われ、12日に東京高裁で再び無罪判決を言い渡された関根進医師は判決後の会見で「長かった」と安堵の表情を浮かべた。
問題となった平成28年5月の腫瘍摘出手術から、差し戻し審を経て約9年。関根医師は現在も診療に当たっているが、「生活と仕事を奪われ、警察と検察に強い憤りを感じる」と述べた。
31年2月の東京地裁に続き、2度目の無罪判決。関根医師は自らの体験を踏まえ、「1人で診療せず、看護師などと複数で処置することが大事だと思う」と話した。
会見には、支援を続けてきた柳原病院(東京都足立区)の八巻秀人院長も同席。「乳がん患者は増えており、若手医師が萎縮し、乳腺外科を避ける傾向が進めば、患者にも影響が出る不安がある」と懸念を示した。