石破首相(自民党総裁)は17日午前の参院予算委員会で、首相公邸で会食した自民衆院議員15人にそれぞれ10万円の商品券を配布した問題について、「社会通念上、世の中の感覚と乖離(かいり)した部分が大きかったと痛切に思っている。大変申し訳ない」と述べ、改めて謝罪した。
立憲民主党の石垣のり子氏の質問に答えた。首相が「公職選挙法や政治資金規正法に抵触するものだと思っていない」と強調したのに対し、石垣氏は国会の政治倫理審査会での弁明も含めて説明責任を果たすべきだと追及した。
首相と同じ自民鳥取県連に所属する舞立昇治参院議員は16日、「歴代の首相が慣例として(配布は)普通にやっていた」と発言した。石垣氏からこの点が事実かどうか問われた首相は「歴代首相がそうであったかどうか全て存じない。お答えする立場にもない」と述べるにとどめた。
読売新聞社が14~16日に実施した全国世論調査では、商品券の配布問題を受け、石破内閣の支持率は内閣発足以降最低の31%となった。報道各社の世論調査でも内閣支持率が軒並み大幅に下落しており、首相の政権運営は困難さを増している。
自民の衆参両院の幹部らは17日午前、東京都内で会談し、今後の国会運営について協議した。森山幹事長は席上、「世論を真摯(しんし)に受け止め、信頼回復に努めたい」と語った。
協議には森山氏や松山政司参院幹事長、衆参の国会対策委員長らのほか、政府側から橘慶一郎、青木一彦両官房副長官が出席し、橘氏は配布問題について陳謝した。参院では2025年度予算案の審議が大詰めを迎えており、政府・自民として今年度内の成立を図る考えだ。
協議では、夏の参院選への影響を踏まえ、今国会への提出を見送る方向で調整している年金改革関連法案の扱いに関して、近く党内議論を開始することも確認した。
一方、25年度予算案の衆院採決で賛成に回った日本維新の会は、17日午後の幹部会合で今後の対応を協議する予定だ。