インサイダー取引の元裁判官、初公判で起訴事実認める…検察側は懲役2年など求刑し結審

金融庁出向中に職務で知った企業の株式公開買い付け(TOB)に関する未公表情報を基にインサイダー取引を行ったとして、金融商品取引法違反に問われた元裁判官の佐藤壮一郎被告(32)の初公判が19日、東京地裁であり、佐藤被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。検察側は懲役2年、罰金100万円などを求刑し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は3月26日に言い渡される。
起訴状などによると、佐藤被告は最高裁事務総局から同庁に出向し、企業開示課課長補佐としてTOBを予定する企業の書類審査などを担当していた昨年4~9月、未公表のTOB情報10件を基に、10社の計1万1800株を計約952万円で買い付けたとされる。
佐藤被告は2019年に大阪地裁判事補に任官し、那覇地裁や最高裁事務総局を経て昨年4月に同庁に出向していた。不正の発覚を受け、同12月に同庁から懲戒免職処分を受けた。