沖縄県名護市の末吉久志さん(77)は、勝山シークヮーサー花香り祭(主催・勝山区)最終日の9日、抽選会でヤギ1頭を手に入れ飛び上がらんばかりに喜んだ。以前からこのヤギと仲良しだった3歳のひ孫と連れて帰る約束をしていて、有言実行。翌日逃げられてしまったものの、名護署が保護して無事に再会することができた。(編集委員・阿部岳)
勝山名物のヤギ1頭が当たる抽選会はヒージャーオーラセーと並ぶ祭りのハイライト。500円の抽選券が当日500枚売り出され、完売した。
末吉さんは11枚買ったが、抽選では外れてしまった。しかし当選者が権利をオークションに出し、2万円まで競った3人のじゃんけん勝負に。見事、末吉さんが権利を勝ち取った。
末吉さんのひ孫は毎月第4日曜日、勝山公民館で開かれる軽トラ市のふれあいコーナーで、この1歳の雄ヤギに出合い仲良くなった。
「おじい、飼って」とねだられていた末吉さんは、このヤギが抽選会の賞品になると聞いて張り切って参加した。
末吉さんは「じゃんけんに勝った瞬間、鳥肌が立ちよった。もちろん食べません。ひ孫たちと遊ばせる」と満面の笑み。妻のよき子さんも「当たるとは夢にも思わなかった。ひ孫に褒められます」と喜んだ。
ヤギを連れて帰る気で、乗用車ではなく軽トラで来場した末吉さん。荷台にひ孫の「新しい友達」を乗せ、意気揚々と引き揚げたまではよかったのだが-。
同市稲嶺で運営する「すえよし花園」の敷地内にロープでつないでいたヤギが、翌朝見るといなくなっていた。まだひ孫に会わせる前。周囲の山を探しても見つからず、落胆しているところに名護署から電話があった。
同署によると、10日午後6時ごろ、花園から2キロ以上離れた同市川上の路上を歩くヤギを見つけた人が110番通報し、駆け付けた警察官が保護した。
末吉さんが持ち主と分かったのは偶然だった。「ヤギと言えば勝山」で、同署から岸本一郎区長(59)に問い合わせがあり、景品の印としてヤギに付けられていた紅白のリボンから判明した。岸本区長は「末吉さんの元に戻ってよかった。これも運命の糸でしょうか」と笑った。